大いなる遺産(チャールズ・ディケンズ)
2010-05-21


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イギリスの文豪「チャールズ・ディケンズ」について話したいと思います。
私はこの大作家の名前を初めて知ったのは、40年以上前浪人生活を
送っていた時、予備校の英語の先生が教材にこの作家の作品を使って講義してくれた時だったと思います。
小説の名前は憶えていません。それから幾年月、この作家の作品に再び出会うのは昨年暮れのことでした。
ひょっとしたきっかけでSkypeを利用するようになり、アメリカの友人の一人が彼の作品を紹介してくれたのです。
そのきっかけはメールをやりとりしていた時、最後の結びの言葉に
「God bless you , one and all」 と書かれていて、これは何なのかと彼に質問したことが事の始まりでした。
彼は出所を丁寧に教えてくれました。
知っておられる方も多いと思いますが、これはディケンズの「クリスマスキャロル」最後の言葉です。
(原書では:God bless us everyoneとなっています)
彼は敬虔なキリスト信者でしたからメールでの結びにピッタリの言葉を使った訳です。
さあそれからです私のディケンズに対する興味が深まったのは。
いままで「クリスマスキャロル」という名前は聞いたことはありますが、
その内容については恥ずかしながら全然知りませんでした。
まずカナダにいる日系2世の方にどういう本なのかと尋ねると、英語圏の人なら誰でも知っており、子供の時には必ず読んでいるし、代々語り継がれている名作だと教えられました。
そしてこの話を、イギリスに住んでいる友人(彼は現在都会の雑踏を
離れてケンブリッジ州にあるピーターバラに奥さんと二人ですんでいる)に話したところ、このDVDを贈ってくれたのです。
話している英語はほとんど理解できませんでしたが、映画の場面から人々の感情がひしひしと伝わってきました。
主演はアカデミー受賞者のGeorge C.Scottでイギリスでは超有名だそうです。
どの出演者も卓越した演技力で本当にすばらしい作品でした。ますますディケンズのファンになったことはいうまでもありません。
そしてこの友人は同じくディケンズの「オリバー・ツイスト」を読むようにとすすめてくれました。
原文で読もうと思いましたが、長編なだけに自分の英語力では無理だとおもい翻訳版にしました。
この作品も大いに感動させてくれました。その感想を上手に述べることは私の国語力では無理なのでやめておきます。
私のディケンズ文学に対する愛着心はますます深くなりました。
そして「大いなる遺産」「二都物語」「デビッド・コパーフィールド」へと続いたのです。
「二都物語」は非常に重苦しい小説です。
フランス革命が背景にありますから、読み進むうちに何度も心が押しつぶされそうになりました。悲しい物語ですから、心優しい人にはあまり勧められません。ただ何人かの友人たちはさすがにこの作品を高く評価しています。中にはディケンズの最高傑作だという人もいますし、事実そのような評価も厳然としてあるのです。
「デビッド・コパーフィールド」はディケンズの自伝小説といえます。
実におもしろい小説で日本にも優れた作家が多くいますが、このような物語の構成、展開を凌駕する作家は見あたりません。
そして最後に、この表題になっております「大いなる遺産」ですが、この作品こそがディケンズ文学の最高峰だと思っております。人間愛、絆、優しさ、ロマン、哲学を語った崇高きわまりない一大長編小説です。
まさに作家ディケンズがシェークスピアと並び称される文豪といわれる所以がここにもみてとれます。
訳者はあとがきでこう述べております。
『最後の章に入り、溢れる涙を止めることができなかった。この作品を訳すことになった光栄をなんと感謝してよいやら・・・・・』と。
私は現在の英語力ではまだまだ無理ですが、いつか必ず原文で読もうと決意した次第です。
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